今日も、福岡県南部の某市で甕棺の実測をして来ました。やはり夜臼式土器の甕棺で壷型をしています。また、底部は限りなく平底に近い丸底です。
甕棺といえば、弥生時代のものが有名ですが、縄文時代末には成立しています。そして古い段階では、甕ではなく壷の形をしているんです。
こちらが、今日作成した実測図の一部です。参考までに縮尺は1/2で書いています。完全な内傾接合で、典型的な夜臼式土器の壷であると理解できます。
全体的に古い要素も見受けられますが、篦磨きの単位が大きくて、やや仕上げが粗い印象を受けます。単に大型の土器だから粗い篦磨きになっているのか、それとも新しい要素として認定するべきか、判断に迷うところです。
器形は、比較的古い様相を示していますが、埋葬用などの特殊な土器には古い要素が残りやすい傾向もあります。小型の壷等に、この現象は見受けられ、祭祀用の土器には古い要素が残りやすいと言われています。
まだまだ、実測作業も始まったばかりです。ゆっくりと他の甕棺や共伴土器も観察しながら、この甕棺たちを理解していきたいと思います。
ところで、
前回の記事や、今回の記事で紹介した実測図を見て、御教示いただける内容があれば御一報ください。コメントでも非公開コメントでも直メールでも構いません。お待ちしています。