今日は、福岡県南部の某市に資料調査に出掛けました。今日から、甕棺本体の実測作業に入りました。久しぶりの甕棺実測なので、午後2時くらい開始で、一応1基だけじっくりと実測して写真まで撮影して来ました。
今日、作成したのが、こちらの実測図です。
残念ながら復元が完了していて、粘土の接合面を観察することは叶いませんでした。
ただ、器形から推察して内傾接合と思われます。
注記の部分は、出所が判明するので、ご勘弁ください。このブログは一応匿名なもんで・・。来年くらいには、どこかで活字になっていると思いますし・・。
さて、この甕棺ですが、器形が比較的古相を示しています。特に内面に条痕が残っているあたりは、そうした印象を強くします。山ノ寺式とは思えませんが、夜臼式でも古段階の資料と思われます。
ただし、篦磨きの単位がやや大きくなるなど、やや新しい要素も見られます。そうした意味では、弥生時代直前あたりの可能性もあります。
これから、順次作業を進めて行きますが、全体像を考えると、なにか見えて来るかも知れません。今からワクワクしています。
北部九州の弥生時代墓制の象徴とも言える『甕棺』。その文化圏の周辺部で、どのように甕棺が導入されていったのか?今回の作業の中で、そのヒントが得られれば嬉しいですね。